裁かれるのは誰か?【裁判員のための法律2】
日本人は検察官を盲目的に信頼し、検察官の言うことを疑いもせず、なかでもマスコミは、特に、新聞やテレビは検察が調べて発表したことを最初から真実だと決めてかかる。民主主義を理解していない証拠です。
【設問:4】
刑事裁判とは、誰を裁くためのものか?
×容疑者、つまり被告を裁くためのもの。
×犯罪者を裁くためのもの。
○行政権力の代理人である「検察官」を裁くためのもの。
裁判は「真実を明らかにする場」ではありません。そもそも「近代裁判」では、「真実の探求」なんて本来の目的ではないのです。極論すれば真実なんてどうだってよいのです。「事件の真相など知る必要もない」のです。従って、日本を代表する”悪書”は「大岡越前守」とか「遠山の金さん」なのです。「遠山の金さん」は、
●犯罪捜査をして
●証拠を集めて
●容疑者を捕まえて
●判決を下して
●場合によっては弁護まで行う、
刑事、検事、裁判官、弁護士の「四役兼任」というわけです。そして「遠山の金さん」は、
●決して悪いことはしない
●神様のように全知全能で
●悪事を見通す人
現実にはそんな人はいません。もし、極悪非道な金さんがいて、何の罪もない無実の人を片っ端から逮捕・告訴して、おまけに「裁いて」しまったら、暗黒裁判に他なりません。ですから遠山の金さんのような人がいてもらっては困るのです。
ところが、日本人は今でも、江戸時代さながら「お上」を尊敬していて、検察官は悪を追及する「善玉」だと信じて疑わない。遠山の金さんと検察官は一緒だと思っている。実におめでたい人たちです。国家権力をもってすれば、どんな証拠でもでっちあげられるし、拷問にかけて、ウソの自白を引き出すことも簡単にできます。
少なくとも、誤認逮捕などはしょちゅう行われているに違いない、つまり、「人間は間違うかもしれない」存在である。という前提で考えるのが「近代裁判」なのです。つまり、権力の横暴から「被告」を守らなければならないのです。
小室直樹著「痛快!憲法学」より
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もちろん裁判員は遠山の金さんのように「四役兼任」などしません。裁判官の役割をするわけですが、実は裁判官をも批判する立場なのです。これは遠山の金さんですらしないことです。なぜなら遠山の金さんは決して幕府批判はしないでしょうから。
つまり裁判員は遠山の金さんの上を行くのです。いかに裁判員が痛快無比でストレス解消に持ってこいかが分かるでしょう。こんな面白い裁判員をやりたくないと言う人がいるのが信じられません。私などタダでもやりたいくらいです。
遠山の金さん
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
遠山の金さん(とおやまのきんさん)は、江戸町奉行・遠山金四郎景元を主人公にした時代劇。
講談・歌舞伎で基本的な物語のパターンが完成し、陣出達朗の時代小説「遠山の金さん」シリーズなどで普及した。
「水戸黄門」「暴れん坊将軍」と同様、「気のいい町人」が最後に「実は権力者」の正体を明かして悪を征し、カタルシスを得る。
事件を「奉行の景元」が「遊び人の金さん(正体を知らない岡っ引等には“金の字”と呼ばれていたりする)」として自ら潜入捜査を行い、事件の真相と黒幕を突き止める。その後、被害者と共に、あるいは単独で悪人の屋敷に乗り込み、突き止めた悪事の数々を言い立てる。ここで悪人たちは金さんを取るに足らぬ小物と思い込んでいるため悪事のすべてを得意げに自慢をし、金さんとその同行者をまとめて抹殺しようとする。
ここで金さんは片肌脱いで、桜の彫り物を見せつける(梅之助主演の初期の版では片肌ではなく両肌脱いでおり、テーマ曲でもそのように歌っていた)。「この桜吹雪を見ちまったらおしまいよ!!」と放ち、この後悪人たちと入り乱れてチャンバラとなるが、なぜか町人で素手の金さんに悪人たちはかなわない。(刀などの得物を金さんに奪われて峰打ちで返り討ちになる場合もあり。)この混乱の中奉行所の者たちが悪人を捕縛するためその場に駆けつけるが、金さんは彼らに姿を見られないよう、到着前に立ち去る。捕縛された悪人たちはその後お白洲に曳き出され、吟味に掛けられる。
「北町奉行・遠山左衛門尉様、ご出座~」の声と太鼓と共に登場する。白洲には「至誠一貫」と書かれた額がある。
遠山「これより**について吟味を致す、一同の者面を上げい」「さて○○(悪人)、××(罪状)とあるが相違無いか」とお決まりの台詞を言う。
白洲で被害者は悪行を訴えるが悪人は犯行を否認する。
被害者「遊び人の金さんなら全て話を知っています。金さんを呼んでください」
悪人「金さん?そんなどこの馬の骨とも判らない遊び人など全く存じません。証拠がないのなら釈放してほしい」「名奉行と言われた遠山様が、確たる証拠も無いのに我らを罪人扱いとは…」「その金さんなる遊び人はどこにおりますかな?お白洲に連れてきて頂きたい、もっとも居たとしての話ですが」等と徹底的におちょくり、しらばくれる。
悪人の仲間の幕府高官が陪席している場合、その高官が「遠山殿、これは全く意味のない白洲ですぞ。」「**奉行である身供をここに座らせるとは、御身のお立場も危ういですぞ」等と、とぼけた様に悪人の無罪を主張したり、圧力をかけたりする。
ここで他の悪人の取り巻きが「金さんを出せ!」「出してみろ!」と怒鳴る。被害者は泣きそうになる。そして取り巻きの罵声が最高潮に達した時、奉行が「やかましぃやい! 悪党ども!!」「おうおうおう、黙って聞いてりゃ寝ぼけた事をぬかしやがって!」などと、今までの謹厳な口調とはガラリと変わった江戸言葉で一喝する。
奉行「そんなに会いてぇなら会わせてやる。この桜吹雪に見覚えがねぇとは言わせねえぜ!(この遠山の桜吹雪、散らせるもんなら散らしてみろぃ!など)」と片肌脱ぐとそこには金さんと同じ桜の彫り物(この時「金さん」が桜吹雪を見せている時の映像を回想の様に流す事もある)。幕府の高官が悪人の仲間の場合で、白洲に陪席している場合、その高官が「おのれ遠山!」などの言葉とともに遠山に斬りかかろうとし、奉行に撥ね返される(大体、長袴で蹴り倒される)。他の悪人は「ははぁ、畏れ入り奉りました!」と観念する。被害者は「ああ、金さん…」と小声で言う。
一同、全てを“金さん”こと奉行に見られていた事を知って愕然となり、悪人は観念する。(ここで元の格好に戻り、判決を言い渡す)主犯には大抵「(市中引き回しの上)打ち首獄門」または「磔獄門」、共犯は「終生遠島」、高官には「御公儀(評定所・**藩)より、追って極刑(切腹)の沙汰があろう」と言う。その後「引っ立てい!」となる。悪人の手下はこの時もジタバタしている。
悪人が連れ出された後、「さて△△(被害者)…」となり、被害者が「お奉行様とも知らずご無礼を…」などと言い、平身低頭する。被害者が軽微な犯罪を犯している場合、大概「江戸十里四方所払い(つまり江戸市中からの追放)」「寄場送り」などの温情判決を下す。
最後に、小声で「金さん」になり「達者で暮らすんだぜ」「お父っつぁんを大事にしなよ」などと温かい言葉をかけ(無罪になった場合は「俺が金さんって事は内緒にしておいてくれよ」などとも言う)」、「これにて一件落着」で全てが終わる。
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