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エンゲル係数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

エンゲル係数(エンゲルけいすう、Engel's coefficient)は、家計の消費支出に占める飲食費のパーセントのこと。一般にこの係数が高いほど生活水準は低いとされる。

ドイツの社会統計学者エルンスト・エンゲルが1857年の論文で発表した。これをエンゲルの法則という。エンゲル係数の高低が、生活水準を表す指標となっているが価格体系や生活慣習の異なる社会集団の比較には必ずしも役だたない。

日本 25.4%
アメリカ 19.3%
カナダ 23.5%
イギリス 24.9%
イタリア 24.4%
トルコ 35.5%
韓国 32.9%
スペイン 26.9%

総務省統計局 『世界の統計2008』 "13-補2 家計の収入"より
_________________________________________________________________________

上記によると日本のエンゲル係数は諸外国と比べてさほど高くないように見える。つまり統計では日本の生活水準は低くないということだ。

だがここに統計のトリックが有る。この統計は日本全体のエンゲル係数であって地域別ではない。都市部と農村部で分けてエンゲル係数を取るべきだ。なぜなら農村部はコメを自給できるが、都市部の労働者はコメを買わねばならないので、都市部のエンゲル係数は高くなることが予想されるからだ。

さらにエンゲル係数だけで貧しさを計ることはできない。人間が生きていくのに必要なものは食料と住居であるから、収入に占める住居費の割合も計算すべきである。つまり家計の消費支出に占める飲食費と家賃の合計の割合をもって貧しさの指標とすべきである。これを仮にマル係数と呼ぶ。

マル係数が高いほど貧しい。そしてマル係数は都市部の方が高いと予想される。なぜなら都市部では家賃を払っている人が多く、住宅ローンを抱えている人も多いからだ。そして都市部では食料を買わねばならない。それに対して農村部では持ち家が多く食料も自給できる。従ってマル係数は都市部の方が高い。

国際比較すれば、日本の都市部のマル係数は高いと予想される。なぜなら日本は食糧の関税が高いからだ。例えばコメの関税は800%である。さらに家賃が高いだけでなく家賃の補助が無い。西欧諸国では低所得者には家賃補助が有る。従って日本の都市労働者は諸外国の都市労働者と比べて貧しいと予想される。

この事の意味する事は、農村部よりも都市部の低所得労働者の為に重点的に予算配分すべきだということである。具体的には家賃補助であり、食料クーポンの配布などである。
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