二次大戦での日本、ドイツ、イタリアの三国同盟にとって、日本海軍が真珠湾を攻撃してアメリカを戦争に引き込んだのは最大の失敗でした。日本海軍が攻撃すべき場所はムルマンスクだったのです。
なぜなら独ソ戦でのドイツの勝利に三国同盟側の勝利がかかっていたからです。つまり日本はアメリカに宣戦布告するのではなく、ソ連に宣戦布告すべきだったのです。
ソ連と戦うとすれば、まず戦艦大和を始めとする全艦隊をチリ沖からマゼラン海峡を通らせて、大西洋に送り、そこから北上させてノルウェー沖まで配置すべきでしょう。イギリスと戦争を始めているわけではないですからイギリス海軍から攻撃される心配はありません。
その後、ソ連に宣戦布告してムルマンスクを砲爆撃し、ドイツ軍と協力してムルマンスクを占領します。ムルマンスクを占領すれば、アメリカとイギリスは軍事物資をソ連に送ることができなくなります。
日本を防衛するには航空兵力だけで十分です。戦艦は必要有りません。ですから戦艦は大西洋に送った方が良いのです。
当時の極東ソ連海軍の戦力というのは微々たるものです。イギリス海軍にしても、主力艦隊を極東に持ってくる余裕は無いでしょう。中国海軍に至っては日清戦争を最後に存在しないも同然でした。
ですから日本海軍の主力艦隊が極東に居ても活躍できる場所が無いのです。もちろん日本はソ連と戦うことを決めた以上、極東でもソ連を攻撃するでしょう。日本陸軍の主力100万は満州に居るのですから。
しかし問題は海軍なのです。海軍力は極東ではその力を十分に生かせません。ですから海軍力を生かすためには大西洋に海軍力をシフトする必要があるのです。
日本海軍の主力でムルマンスクを占領し、ムルマンスク占領後、ドイツ艦隊と共に大西洋に進出すれば、当然、イギリス艦隊との海上決戦となるでしょう。
この海上決戦は日本ドイツ連合艦隊の方に分が有ります。航空母艦の差が大きいからです。イギリス艦隊は日本海軍艦上爆撃機にアウトレンジされ、戦力を半減し、それでも突入して来た残存艦隊も戦艦大和、武蔵にアウトレンジされて絶滅でしょう。
日本海軍の弱点はレーダーの装備が無いことですが、それはドイツ艦隊と協力することで解消されます。さらにいざとなれば生存可能型人間魚雷の投入も可能ですし。
こうして制海権を失ったイギリスは降伏するしかなくなり、イギリスからドイツへの爆撃も無くなります。
ドイツの工業力はソ連より上なのですから、ソ連がアメリカ、イギリスからの軍事支援を受けられなくなり、ドイツがイギリスからの爆撃によって工業生産を邪魔されなければ、独ソ戦でのドイツの勝利は確定です。つまりは三国同盟側の勝利ということであり、日本は戦勝国になることができます。
生存可能型人間魚雷は実在した兵器です。
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http://www.down.ne.jp/ish/ijn/sbhist/kouhyoteki.html
甲標的(特殊潜航艇)
Kou Hyoteki ( Midget submarine )
艦隊決戦に際し、水上艦より発進し、敵主力艦を奇襲攻撃する目的で開発された2人乗りの超小型潜航艇。
1万トンを越える専用の母艦(<千歳><千代田>)まで建造してしまうほどの期待の秘密兵器で、呼称の「甲標的」というのも、万一、存在が露見した場合に「演習用の標的」と言い逃れる為のものだったらしい。
昭和13年より生産が開始されたが、初期量産型の甲型は母艦からの発進が前提であった為、魚雷と同じ推進方式を採用しており、泊地攻撃には不向きであったにもかかわらず、専ら真珠湾やシドニー湾やガタルカナルなど泊地攻撃に投入され、期待されたような戦果を挙げる事ができなかった。
その後、局地戦用への道を歩み、前進基地での使用を前提とした発電機を装備した乙型、さらに操縦装置に改良を加え乗員を3名に増した丙型、そして最終型である乗員5人の小型潜水艦である「蛟龍」(丁型)に至り、局地戦用の小型潜航艇が完成した。
なお、甲標的は正しくは艦艇ではなく、航空機等と同列の兵器である。
また、特殊潜航艇は「特別攻撃」であるが、一応は作戦後は乗員のみ回収する事になっており、自殺攻撃兵器ではない。(ただし、蛟龍は特攻兵器の指定を受けていた)
終戦時には115隻の蛟龍が本土決戦用として温存され、さらに500隻の建造中であり、これらの艇の多くは終戦後、呉で解体されたが、この時の写真は有名で、空母<葛城>の写真と並び、「終戦時の画像」として方々で使用されている。(ドックに潜水艦がずらっと並んでいる写真。呉の第四船渠の画像で、両端には丙型らしき艇も混ざっている)
修理はドイツ側に頼むにかないでしょう。レーダーを取り付けてくれますから性能は向上します。
アメリカは真珠湾を攻撃しなければ攻めてきません。
イギリスとの海上決戦で、日本ドイツ連合艦隊はイギリス海軍に勝利すれば、制海権は確保できます。
私の知る限り、日本海軍主力艦隊をムルマンスクに突入させるというのは、火葬、否、仮想戦記にも無いと思います。
石油の問題が有るから短期決戦の必要が有るのです。その為のムルマンスク突入であり、イギリスとの海上決戦なのです。
日ソ不可侵条約は史実でソ連が破棄したのと同じで、破棄の理由など必要ないでしょう。
アメリカとナチスドイツが手を組むことはありません。ナチスがユダヤ人を迫害しているからです。それはちょうど今のアメリカがイスラエルを支持しているのを見れば分かるでしょう。
そもそも各個撃破作戦は基本中の基本です。ドイツ、イタリアがソ連と戦っている以上、日本はソ連と戦争を始めるのが戦争の常識です。対アメリカ戦を始めるのは、全くあさっての方向を向いた、ど素人の作戦です。
各個撃破作戦に基づけば対ソ連戦に三国の戦力を集中するしかありません。それも極東ではダメで主戦場であるヨーロッパの必要が有ります。
三国対ソ連の戦いに持ち込めば三国同盟側に勝つ可能性が有ります。これが第二次大戦で日本が勝つ方法です。
第一次大戦当時の、石炭を燃料とする艦船にできることが、第二次大戦当時の艦船にできないはずはないでしょう。
シュペーのドイツ東洋艦隊はフォークランド諸島海戦でイギリス艦隊に敗北しましたが、日本艦隊はそれほど簡単にはいかないでしょう。
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