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確かに公務員は全体の奉仕者であって、特定の個人の奉仕者ではありません。当然、内閣総理大臣の奉仕者でもなければ、防衛大臣の奉仕者でもありません。

従って、自衛隊員はそうすることが国民に対する義務だと判断すれば、国民の名において内閣総理大臣や防衛大臣を批判する義務と責任が有ります。

例え、内閣総理大臣、防衛大臣の命令といえども、国民の利益に反すると思えば、正々堂々とその命令に反抗する義務と責任が有ります。


官僚が大臣より権力が有るわけではありません。小池防衛大臣の人事に口出しした守屋事務次官が解任された事例と同じと考えてはいけません。守屋事務次官の場合は私利私欲で防衛大臣の人事権に口出ししたのです。解任されて当然です。

しかし今回の田母神航空幕僚長の場合、私利私欲ではなく、国と国民の為に自分の首を賭けて発言したのです。勇気ある発言と言えるでしょう。このような発言が罰せられるならば、自衛官はただ政治家にゴマをする人間ばかりになってしまいます。

政治家が気に入らないような情報は伝わらなくなり、政治家の判断を誤らせることになります。これは国民にとって危険なことです。例えば、私はミサイル防衛など無意味だと思っていますが、自衛官が同じことを言えば間違いなく首になるでしょう。しかしそのような情報こそ国民は必要としているのです。


田母神(たもがみ)航空幕僚長には言論の自由が無いのか?ということでしょう。

もしそうなら自衛隊員には言論の自由が無いことになる。自衛隊員はmixiをやってはいけないことになる。

政治コミュで自由に自分の意見を述べるのはもってのほかだと。解任、降格、免職の理由になると。

それでいいのか?ということでしょう。


結局、田母神(たもがみ)航空幕僚長の最大の罪は、浜田靖一(やすかず)防衛大臣を始め、麻生内閣の閣僚の面々が馬鹿の集まりであるという最大の軍事機密を内外に知らしめてしまったということでしょう。


防衛庁の内規というのは事前検閲であり憲法違反ではないか?

例えば米軍にも同じような内規が有るのか?

そもそも内規は何の為に有るのか?空軍のトップである航空幕僚長たる者が軍の機密を外に漏らすはずないだろう。航空幕僚長を信じることができないとすれば誰を信じるのか。そもそも軍の機密を敵に漏らそうと考える人間が懸賞論文なんかで漏らすはずないだろう。懸賞論文を検閲するなどおこがましい限りだ。

懸賞論文で300万円当選したということは、オリンピックの金メダルにも匹敵する。賞賛されこそすれ罰せられることではない。自衛官にはどしどし懸賞論文に応募してもらいたい。自衛官が何を考えているかを知ることは国民にとって大切なことなのであるから。


自衛隊が憲法違反の存在だとしても、自衛隊員は憲法違反の存在ではありません。当然基本的人権を有しています。基本的人権を制限するような内規はそれ相当の理由が必要です。

航空幕僚長が懸賞論文に応募する際、検閲が必要だという合理的理由を防衛大臣か内閣総理大臣は国民に説明しなければなりません。自分達は論文を新聞や雑誌に発表しているのに、なぜ航空幕僚長はいけないのかを説明しなければなりません。

そして航空幕僚長を国会に召喚して考えを聞くべきでしょう。空軍のトップが解任されるという重大事なのですから、直接話を聞く義務と責任が有ります。マッカーサーがアイゼンハワーに解任された時も議会で証言しています。

田母神航空幕僚長にしても自分の意見を国会で証言できるのですから望むところでしょう。アホな国会議員達を得意の空中戦でケチョンケチョンにやっつけていただきたい。


自衛隊は憲法の定める基本的人権を守るために存在しているのです。これが自衛隊の存在理由です。従って自らの存在理由を否定するようなことを容認するわけにはいきません。

「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない」12条

憲法は国民に自由と権利を守ることを要求しています。自由と権利を一瞬たりとも放棄することを許していないのです。この要求に答える為の手段として自衛隊は存在するのです。


第97条 この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。 

第98条 この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。


「侵すことのできない永久の権利」という宗教的言葉の意味は、至高の権利という意味でしょう。具体的には国民の全存在に値する権利、国民の全存在を掛けて守り抜かなければならない権利ということです。もっと分かりやすく言えば、生命を掛けて守り抜けということです。


懸賞論文に応募することが、軍事活動にどんな支障が有るのですか?
具体的な支障がない限り、基本的人権を制限することは許されません。

第13条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。


いずれにせよ空軍のトップの解任という重大事件ですから、田母神氏を国会に呼んで話を聞くべきでしょう。

自衛隊法といえども憲法を超越することはできません。基本的人権を守ったのですから田母神氏の行動は賞賛されるべきです。自衛官は自衛隊法と基本的人権のどちらを守るべきかと問われれば、ためらわず基本的人権を守ると答えなければなりません。

基本的人権に比べれば自衛隊法など取るに足りません。


今回の更迭理由が内規に反したから、というのが理由ならそれは基本的人権に反している。

論文が間違っているというのが理由なら、どこが間違いなのか検証しなければならない。

どこが間違いなのか検証するため、田母神氏を国会に呼ぶべきだ。国会での論戦を通じて、どこが間違いなのか明らかになるだろう。

自民公明が田母神氏を国会に呼ばないとすれば、それは論戦の場で田母神氏に撃墜されるのを恐れてのことだろう。自民公明はまともに論戦もできない臆病者、卑怯者だということだ。
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